守るものとは∕紅紀 - 3/7

それからさ迷い、駅員に聞きながら桜田門の近くへやって来たのは昼頃の事。
お掘りの傍にあるベンチへ並んで腰掛け、道中で買ったお握りを頬張る。

「天気が良かったら絶好のピクニック日和だったんだけどなー」
「こればかりはお天道様の気紛れなので諦めましょう」

そう言いながら鮭お握りを頬張る毛利くんをちらりと横目で見る。
一人っ子な自分に弟が居たらこんな感じなんだろうか。
何となく歴史が好きだからと歴史専攻を選択しただけで後は平々凡々なただの一般庶民を頼ってくれる小さな大先輩から目を離して梅お握りを齧る。

後どれだけ一緒に居てくれるんだろう。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA